【デジカメ】背景をぼかしたポートレート
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「望遠側 (T)」と [ポートレートモード] で背景をぼかした例
●F2.4・1 / 320 秒・ISO100・ポートレートモード ●モデル : 足立実緒
【デジタルカメラ講座】背景をぼかして被写体を強調する方法は、Photoshop に頼るまでもなく最初にマスターしておきたい定番撮影テクニックです。まずはデジタルカメラの基本的な撮影方法から始めましょう。
遠くに離れて撮ろう!
背景をぼかす撮影は、デジタルカメラのオート撮影でも、ちょっと意識するだけで簡単に表現できます。そのポイントを探ってみましょう。
離れた位置から被写体を捉える
まずは意識的に被写体から離れて、ズームの「望遠側 (T)」最大で迫ってみましょう。被写体にピントを合わすと、「広角側 (W)」のときにはあまり感じられなかった「背景のぼけ」が確認できます。

広角側 (W) から望遠側 (T) にズームすると背景がぼける
ピント合わせのテクニック!
[AF (オートフォーカス)] は、測距枠 (ターゲットフレーム) 内のものにピントを合わせるため、被写体が画面内 (ファインダー) の中央にないときなどは、被写体以外の部分 (背景) にピントが合ってしまうことがあります。これを防ぐテクニックとして「AF ロック」があります。

被写体を画面内 (ファインダー) の真ん中 (測距枠内) で捉え、シャッターボタンを「半押し」します。

[AF (オートフォーカス)] が被写体にピントを合わせると画面内 (ファインダー) に緑色のランプが点灯し AF ロックの状態になります。

シャッターボタンを半押しのまま任意の構図に移動します。シャッターボタンをさらに押し込んで撮影します。
ポートレートモードでぼかす
「光学式ズーム機能」が3倍程度の機種では、思うように背景がぼけてくれないかも知れません。その場合は、デジタルカメラにあらかじめ用意されている「シーン別撮影モード」に設定してみましょう。

[望遠側 (T) + ポートレートモード] で撮影
● F2.4・1 / 320 秒・ISO100・ポートレートモード
設定メニューから、[ポートレートモード] を選ぶと、現在の状況下で適した「背景のぼけ」を、デジタルカメラが自動的に判断し設定します。ズームと併用すれば、背景がぼける効果は向上します。
ポートレートモードって何?
機種、メーカーによって名称も違いますが、人物を主体とした撮影に用いる [シーン別撮影モード] のひとつです。背景をぼかして被写体を際だたせることができます。
被写界深度が浅く設定されますので、ピント合わせ (AFロック) は慎重におこないましょう。
[マクロ機能]でぼかす
[ポートレートモード] がない機種は、[マクロ機能] を利用してみましょう。[マクロ機能] は、主に花や昆虫などの小さな被写体を近接撮影する場合に用いますが、ポートレートの背景をぼかしたい場合にも有効です。
通常、[広角側 (W) + マクロ] で撮影するというイメージが強いですが、[望遠側 (T) + マクロ] という組み合わせもできます。

[広角側(W)+マクロ]で撮影
● F2.0・1 / 160 秒・ISO100・オート撮影モード + マクロ
なぜ背景がぼけるの?
これはレンズの焦点距離と絞りの関係によるもので、ピントが合う前後の範囲を「被写界深度」といって、浅い状態では背景がぼけ、深い状態では背景にもピントが合います。

被写界深度が深い場合は背景にもピントが合う
● F8.0・1 / 80 秒・ISO100・マニュアル

被写界深度が浅い場合は背景がぼける
● F2.0・1 / 1000 秒・ISO100・マニュアル
ズームの「望遠側 (T)」では、「広角側 (W)」よりも焦点距離が短くなり、[マクロ機能] では、近接の被写体を捉えやすくするため、カメラがレンズの焦点距離を物理的に短く変化させます。
[ポートレートモード] や [マクロ機能] では、絞りを開放値に近づけて、被写界深度を浅くとるように設定されます。
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