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【テクスチャ】エッチングで描かれた雲

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【テクスチャ】エッチングで描かれた雲
【Photoshop講座】 紙幣や切手などの図案を表現するのによく用いられる“エッチング調”は、銅版を腐食させた繊細な“線”が特徴的な古くからある印刷方法です。写実的なモチーフの中に印象的なタッチが同居する、稚拙で物静かな雲の背景画を作成しましょう。
もくもくと雲模様を隆起させる!
[雲模様1]フィルターで生成した“雲模様”を、[エンボス]フィルターで角度も自在にもくもくと隆起させます。でも、平面的な雲模様を立体的にするには、その前の“仕掛け”が重要です。
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ドキュメント
新規画像に雲模様を適用する
[幅:1024 pixel][高さ:768 pixel][解像度:72 pixel/inch][モード:RGBカラー]の新規画像を開きます。
描画色と背景色を初期設定に戻したあと、 [フィルタ]メニューから[描画]→[雲模様1]を選択して適用します。
no359_02.png
[レイヤー]パネル
複製した画像の輪郭を強調する
[レイヤー]パネルで、「背景」を[新規レイヤーを作成]ボタンにドラッグ&ドロップします。
すると、「背景」の前面に複製された「背景 コピー」が作成されます。
複製した「背景のコピー」が選択されていることを確認します。
no359_03.png
ドキュメント
[フィルター]メニューから[表現手法]→[輪郭検出]を選択して適用します。
つぎに、[イメージ]メニューから[自動コントラスト]を選択します。
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[ぼかし(ガウス)]ダイアログ
輪郭をぼかして背景と合成する
[フィルター]メニューから[ぼかし]→[ぼかし(ガウス)]を選択し、[ぼかし(ガウス)]ダイアログで、[半径]に「8」pixelを設定して、[OK]をクリックします。
text_sky100302.jpg
[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[描画モード]に[乗算]を設定します。
no359_06.png
ドキュメント
「背景のコピー」の輪郭と、その元画像となる「背景」が乗算で合成され、細かいムラと段差が生まれました。
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[エンボス]ダイアログ
エンボスで雲を隆起させる
[フィルター]メニューから[表現手法]→[エンボス]を選択し、[エンボス]ダイアログで、[角度]に「-90」°、[高さ]に「4」pixel、[量]に「100」%を設定して、[OK]をクリックします。
[角度]の設定値は、雲が隆起する角度です。垂直方向に上へ隆起させたい場合は、反対方向の「−90」°を設定します。
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ドキュメント
雲模様がもくもくと隆起しました。
COLUMN
なぜ、隆起するのか?
[エンボス]フィルターは、階調の違いによって画像の中の“カタチ”を判断し、シャドウ部分、中間調部分、ハイライト部分に分解して、それらのピクセル位置を移動させることで立体が表現されています。
手順【3】で作成した“雲模様の輪郭をぼかした画像”は、[エンボス]フィルターの適用により、4 pixel(設定値)上方にピクセル位置を移動した画像を生成しました。
この[エンボス]フィルターを適用した画像に、元画像の「背景」を合成すると、“ピクセル位置のズレ”により、階調の差が生まれてくるわけです。この微妙なズレが、雲をもくもくと隆起したように見せる主な要因です。
no359_09.png
[レイヤー]パネル
雲を絵画調にする
[レイヤー]メニューから[画像を統合]を選択します。
[レイヤー]パネルで、「背景のコピー」が「背景」に統合されたことを確認してください。
no359_10.png
[フェード]ダイアログ
[フィルタ]メニューから[表現手法]→[輪郭検出]を適用します。
[編集]メニューから[輪郭検出をフェード]を選択し、[フェード]ダイアログで、[描画モード]に[差の絶対値]を設定して、[OK]をクリックします。
[輪郭検出]と[フェード]をもう1回繰り返します。
no359_11.png
ドキュメント
[輪郭検出]と[フェード]を繰り返すと、反転された画像が元に戻ります。
[描画モード:差の絶対値]により、反転さされた情報で再び輪郭を検出すると、細かい境界線が増幅されて生成されます。
no359_12.png
ドキュメント(部分拡大)
雲に細かい模様が現れて、絵画調のタッチのようになりました。
COLUMN
フェードとは?
フィルターやペイントツール、色調補正などの効果を、適用後にフェードイン、フェードアウトするコマンドで、0~100%の不透明度と各種描画モードが設定できます。活用方法はさまざま。直前に行った効果の“強弱”を調整できる機能…と憶えておくとよいでしょう。
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[ハーフトーンパターン]ダイアログ(部分)
フィルターで横線の模様を加える
[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]→[スケッチ]→[ハーフトーンパターン]、バージョンCS4以前では、[フィルター]メニューから[スケッチ]→[ハーフトーンパターン]を選択し、[サイズ]に「1」、[コントラスト]に「5」、[パターンタイプ]に[線]を設定して、[OK]をクリックします。
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[フェード]ダイアログ
[編集]メニューから[ハーフトーンパターンをフェード]を選択し、[フェード]ダイアログで、[不透明度]に「70」%を設定して、[OK]をクリックします。
no359_15.png
ドキュメント(部分拡大)
[ハーフトーンパターン]フィルターの効果を[フェード]によって調整できました。
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[レイヤー]パネル
上部を霞ませ遠近感を持たせる
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[グラデーション]を選択します。
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[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログ
[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログで、[クリックでグラデーションピッカーを開く]をクリックして、プリセットの「黒、白」を選択します。
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[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[描画モード]に[スクリーン]、[不透明度]に「75%」を設定します。
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ドキュメント
[グラデーション]調整レイヤーによって、上部を霞ませて遠近感を持たせることができました。
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[レイヤー]パネル
グラデーションマップで着色して完成
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[グラデーションマップ]を選択します。
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[グラデーションエディター]ダイアログ
[グラデーションエディター]で図のようなグラデーションを作成します。設定値は以下のとおりです。
[位置:0%][ブラック]
[位置:50%][H36/S59/B55]
[位置:100%][H55/S39/B100]
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[レイヤー]パネル
[グラデーションマップ]調整レイヤーは最前面に作成し、すべてのレイヤーの階調に対して反映せます。
no359_22.png
ドキュメント
[位置:100%](ハイライト点)に淡い黄色を設定し、全体のトーンを少し落とした重厚なイメージに着色しました。
これで完成です。
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