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クリッピングパスの設定方法

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クリッピングパスの設定方法
【Photoshop基本操作】クリッピングパスとは、DTP 用の切り抜き画像を作成するときに設定するパスです。たとえば、Illustrator で配置した画像の背景をマスクしたい場合に用います。印刷に関する専門的な分野では常識とされる操作ですが、「EPS オプション」や「平滑度」など、意外に知られていない部分もある機能です。印刷用入稿データが、Photoshop(PSD 形式)の透明部分に対応できるようになってからは、使用頻度が少なくなってきました。
平滑度の算出方法を知ろう!
平滑度とは、クリッピングパスで設定したパスを出力するときの「トレース誤差の許容量」を示すもので、出力機(ポストスクリプトプリンタ)の解像度に対し、自由曲線であるパスをどのくらいの長さに分割して演算するかを決定する数値です。なぜ、このような設定があるのか? 平滑度の適正値はどのくらいなのか? 算出方法を含めて詳しく解説していきます。
クリッピングパスの設定方法
クリッピングパスは、[作業用パス]から保存したパスにのみ設定できます。[パス]パネルメニューの[クリッピングパス]は、パスを保存しないと使用できません。ドキュメント内に複数のパスが保存されていても、その中からクリッピングパスにしたいパスが選択できます。
パスを作成する
[ツール]パネルから、[ペンツール]を選択します。オプションバーで、[ツールモードを選択]に[パス]を選択し、切り抜くオブジェクトを囲んだパスを作成します。
ペンツール
ペンツール
クリッピングパスを作成する画像
クリッピングパスを作成する画像
パスの概念図
パスの概念図
必ずパスを閉じる!
クリッピングパスに用いるパスは、必ず「閉じたパス」で作成してください。[パス領域から一部型抜き]を含んだパスでもかまいません。ただし、あまり複雑なパスはクリッピングパスに向いていません。
クリッピングパスとパスのちがい
パスは、ベクトル図形を描く「ベジェ曲線」の総称で、その働きにはさまざまなものがあります。クリッピングパスは、そのひとつの働きを示すもので、作成したパスレイヤーを選択して、個別に設定を加えなければ適用されない機能です。
クリッピングパスは、外部の出力機(ポストスクリプトプリンタ)に対する設定なので、エラーなどの負担をかけないパスの作成に、最善の注意を払わなければなりません。そのため、制約されることもたくさんあります。「閉じたパス」にすることもそのひとつ。シンプルで無駄のない正確なパスを作成するように心がけましょう。
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【Photoshop講座】基本がわかる!パスの作成と使い方
サムネールをクリックすると、YouTube 動画にリンクします。
パスを保存する
パスが作成できたら、[パス]パネルを表示します。すると、[作業用パス]が追加されています。
[パス]パネルで[作業用パス]を確認
[パス]パネルで[作業用パス]を確認
[作業用パス]サムネールをダブルクリック、または[パス]パネルメニューから、[パスを保存]を選択し、[パスを保存]ダイアログを表示します。
[パスを保存]を選択
[パスを保存]ダイアログを表示する必要がない場合は、[作業用パス]サムネールを[新規パスを作成]ボタンにドラッグ&ドロップしても保存できます。
[パスを保存]ダイアログで、[パス名]に任意のパス名を入力して、[OK]をクリックします。
[パスを保存]ダイアログ
[パスを保存]ダイアログ
デフォルトの「パス1」でもかまいません。画像に複数のパスがある場合は、同じ名前にならないよう注意してください。
クリッピングパスを設定する
[パス]パネルで、クリッピングパスにしたいパスが選択されていることを確認します。[パス]パネルメニューから、[クリッピングパス]を選択します。
[クリッピングパス]を選択
[クリッピングパス]ダイアログで、[パス]にクリッピングパスにしたいパス名を選択し、[平滑度]に「(空欄)」、または任意の数値(3 〜 5 デバイスピクセル)を入力して、[OK]をクリックします。
[クリッピングパス]ダイアログ
[クリッピングパス]ダイアログ
設定値は空欄でもOK!
[平滑度]の適切な設定値がわからない場合は、空欄にしておきましょう。空欄にしておくと、出力機(ポストスクリプトプリンタ)の初期設定値が適用されます。
クリッピングパスを設定すると、パス名の表示が「太字」に変わります。
※Macのみ
パス名が「太字」に変わる
パス名が「太字」に変わる
平滑度の算出方法
平滑度は、外部の出力機(ポストスクリプトプリンタ)に対する設定です。その設定値は、パスの形状や出力機の性能や特性、要求される出力解像度によって異なりますが、通常では 3 ~ 5 の範囲で適用すればいいでしょう。
注意すべき点は、設定値が低いほど、詳細なアウトラインが得られるので、必要以上に平滑度が低く設定される傾向があることです。平滑度を低く設定しすぎると、出力の際に著しくメモリを消費してしまい、出力に時間がかかったり、エラーの原因になる可能性があります。
[平滑度]を低く設定した場合
[平滑度]を低く設定した場合
クリッピングパスが短く分割される
[平滑度]を高く設定した場合
[平滑度]を高く設定した場合
クリッピングパスが長く分割される
[クリッピングパス]ダイアログでは、0.2 ~ 100.0 の値が設定できます。必要に応じた設定値が前提となりますが、およその目安(適正値)を算出で知ることができます。可能な限り、設定値は高めにしておくことをおすすめいたします。
【平滑度の算出方法】
(出力機の解像度)÷(必要な出力解像度)=(平滑度)
高解像度プリンタの例:2400 dpi ÷ 300dpi = 8
低解像度プリンタの例:600 dpi ÷ 300dpi = 2
入稿する印刷所によっては、平滑度を空欄にしておくことを要求される場合が多いです。空欄にしておくと、出力機(プリンタ)の初期設定値が適用されるからです。平滑度は、エラー等により印刷所で調整されている場合もあり、入稿するデザイナーにとっては、無用な設定であるようにも解釈できますが、平滑度を MAX 値の「100」に設定している「ツワモノ」もいるので、基本的な知識を持っておく方がよいでしょう。
画像を保存する
クリッピングパスを含む画像は、必ず「EPS 形式」で保存しなければなりません。[ファイル]メニューから、[別名で保存]を選択し、[フォーマット:Photoshop EPS] で画像を保存します。[EPS オプション]ダイアログで[プレビュー]、[エンコーディング]の設定を行います。
[EPS オプション]ダイアログ
[EPS オプション]ダイアログ
[プレビュー]の設定
パソコン表示用の低解像度画像を設定するもので、一般的には Mac と Win が共有できる[TIFF (8 bit/pixel)]を選択します。
[エンコーディング]の設定
画像のデータを置き換える形式を設定するもので、一般的には[JPEG - 最高画質(低圧縮率)]が多く用いられています。
[EPS オプション]とは?
EPS 形式のファイルは、外部の出力機(ポストスクリプトプリンタ)で出力することを前提としているので、互換性や用途に応じた設定を加える必要があります。[EPS オプション]の設定によって、作業の表示スピードやファイルサイズの大きさが改善されます。EPS 形式で保存する場合は、事前に印刷所の入稿ガイドを確認しましょう。
DTPソフトで画像を配置する
DTP 用のレイアウトソフト(Illustrator など) に配置すると、クリッピングパスの形に切り抜かれて背景が透明になった画像として使用できます。
Illustrator の配置イメージ
Illustrator の配置イメージ
配置画像の保存場所に注意!
たとえば、Illustrator ファイルの保存時に[配置画像を含む]を有効にしていない場合、配置画像(EPS ファイル)の保存場所(リンク)は、Illustrator ファイルを保存する同一フォルダ内にしておきましょう。[配置画像を含む]の設定は、入稿する印刷所によって、有効と無効の指示が異なる場合があるので、事前に確認して十分に注意してください。
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Posted bypsgips