Photoshop養成ギプス

【抽象】虹の卵のアブストラクト

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【抽象】虹の卵のアブストラクト
【Photoshop講座】アブストラクトとは、主に抽象的な「背景アート」のことをいいます。無意味であるけれど感じてしまうヴィジュアルって、頭の中で考えているよりも、先に手を動かした方がいい結果が出ることも多いです。そんな予測不能なアートと、ビットマップ画像の特性を活用すれば、何らかの関連付けを想像させるようなテーマが、アッというまに量産できます。スクエアと卵をモチーフとした鮮やかなアブストラクトを作成しましょう。
モノクロの階調を鮮やかな色に変換する!
色の影響力はスゴイです。色でイメージはどんどん膨らむし、既成概念を打ち破るような演出にも効果的です。シェイプツールで単純な構図を描き、レイヤースタイルでモノクロの陰影を付けます。仕上げは[グラデーションマップ]で、鮮やかな虹色のグラデーションに変換します。とにかく「考えるよりやってしまえ!」が信条です(笑)。
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[レイヤー]パネル
背景のグラデーションを作成する
[幅:512 pixel][高さ:512 pixel][解像度:72 pixel/inch][モード:RGBカラー]の新規画像を開きます。
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[グラデーション]を選択します。
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[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログ
[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログで、[クリックでグラデーションを編集]をクリックして、[グラデーションエディター]ダイアログを表示します。
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[グラデーションエディター]ダイアログ
[グラデーションエディター]ダイアログで、図のようなグラデーションを作成します。設定値は以下のとおりです。
[位置:0%][H0/S0/B25]
[位置:100%][H0/S0/B60]
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[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログ
[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログで、[逆方向]にチェックマークを入れ、[グラデーション]を確認したら、[OK]をクリックします。
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ドキュメント
背景のグラデーションが作成できました。
[グラデーションエディター]ダイアログの設定値は、後の手順で行う[グラデーションマップ]でのカラー変換を前提としたもので、開始点(ドキュメントの上部)がB(明度)25%、終了点(ドキュメントの下部)がB(明度)60%のモノクロ階調としています。
B(明度)25%は、比較的暗い部分の基準数値として、最も暗い部分B(明度)0%より少し明るい濃いグレーにしておきます。これは、スミ75%に相当する考え方で設定した数値です。
B(明度)60%は、中間調のB(明度)50%より少し明るいグレーです。すべての階調の付け方は、中間調の50%グレーを基準値として考えますが、たとえば、濃い色から明るい色の階調を持つグラデーションでは、開始点、または終了点付近に“感じる階調”として、少し明るくしたり、少し暗くしたりといった工夫が必要になってきます。この場合、終了点付近を50%グレーに感じさせるため、少し明るいB(明度)60%を設定しました。
このレッスンの動画を配信中!
【Photoshop講座】グラデーションで虹の卵のアブストラクトを作成する
サムネールをクリックすると、YouTube 動画にリンクします。
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長方形ツール
画面構図を分割する
正方形の画面を水平に2分割するためのシェイプを作成します。
[ツール]パネルから[長方形ツール]を選びます。
オプションバーで、[ツールモードを選択]に[シェイプ]を選択し、[シェイプの塗りを設定]をクリックして、[グラデーション]をクリックします。
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[グラデーションエディター]パネルで、図のようなグラデーションを作成します。設定値は以下のとおりです。
[位置:0%][H0/S0/B25]
[位置:100%][H0/S0/B60]
[反転グラデーション]をクリックします。
設定したグラデーションは、手順【1】と同じです。
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ドキュメント
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ドキュメント
ドキュメントを水平に分割したい範囲をドラッグします。作例の水平の分割線は、Y:320 pxです。
シェイプの作成は、あらかじめグリッドやガイドを設定しておくと、正確な位置にスナップさせることができます。
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楕円形ツール
卵型のシェイプを作成する
[ツール]パネルから[楕円形ツール]を選びます。
[レイヤー]パネルで、[新規レイヤーを作成]をクリックし、「レイヤー1」を作成します。
COLUMN
新規レイヤーで設定を効率化する!
シェイプの前面に別のシェイプを作成する場合、選択中のシェイプのオプションがそのまま適用されます。また、これから作成するシェイプに新しいオプションを設定すると、選択中のシェイプに、その新しいオプションが適用されてしまいます。
このような操作を効率的に行うには、シェイプを作成する前に、新規レイヤーを作成して回避する方法があります。
オプションバーで、[シェイプの塗りを設定]をクリックして、[べた塗り]をクリック、[ホワイト]をクリックします。
[シェイプのストロークの種類を設定]をクリックして、[カラーなし]をクリックします。
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オプションバーで、[幾何学オプション]をクリックして、[中心から]にチェックマークを入れます。
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ドキュメント
[Photoshop(編集)]メニュー→[環境設定]→[ガイド・スライス・グリッド]を選択し、[グリッド線]に「64」pixel、[分割線]に「2」を入力して、[OK]をクリックします。
[表示]メニュー→[表示・非表示]→[グリッド]を選択し、設定したグリッドを表示します。
※ショートカットキー:command(Ctrl)+@
グリッドを参考にして、水平の分割線から1マス上の中心からドラッグし、W:320 px、H:320 pxの正円を描きます。
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パス選択ツール
[ツール]パネルから[パス選択ツール]を選びます。
正円のシェイプの上端をクリックして、アンカーポイントを選択します。
選択したアンカーポイントは(■)で表示されます。選択されていないアンカーポイントは(□)で表示されます。
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ドキュメント
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ドキュメント
選択したアンカーポイントを2マス上までドラッグします。
移動したアンカーポイントは、グリッドにスナップされ、正確な位置に移動できますが、垂直に移動させたい場合は、shiftキーを押しながらドラッグすることを習慣付けましょう。
正円のシェイプの上端が引き延ばせたら、左右のアンカーポイントから引き出された方向線を上にドラッグして、卵形の形状を整えます。
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ドキュメント
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ドキュメント
方向線のドラッグは、グリッドにスナップさせて左右対称に行います。ドラッグする順序は左右どちらからでもかまいません。
[表示]メニュー→[表示・非表示]→[グリッド]を選択し、設定したグリッドを表示します。
※ショートカットキー:command(Ctrl)+@
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[レイヤー]パネル
卵形のシェイプに陰影を付ける
[レイヤー]パネルで、[楕円形 1]が選択されていることを確認します。
[レイヤースタイルを追加]ボタンをクリックして、メニューから[シャドウ(内側)]を選択します。
[レイヤースタイル]ダイアログで、以下の設定を行います。
【構造】
[描画モード:乗算]
[カラー:ブラック(初期)]
[不透明度:100%]
[角度:90°]
[包括光源を使用]を有効
[距離:0 px]
[チョーク:0%]
[サイズ:180 px]
【画質】
[輪郭:線形]
[アンチエイリアス]を有効
[ノイズ:0%]
※引き続き設定を行いますので、ダイアログは閉じないでください。
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[レイヤースタイル]ダイアログ
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ドキュメント
卵形のシェイプに立体的な陰影が付きました。
[シャドウ(内側)]の設定は、シェイプの輪郭から内側にシャドウを付けるもので、[距離]を「0」pxにすると、[角度]の影響を受けず、輪郭に対して均等な描画が行えます。
[距離]を「0」pxに設定してから、[サイズ]で陰影のバランスを調整します。
[スタイル]メニューから[光彩(内側)]を選択します。
[レイヤースタイル]ダイアログの設定値は以下のとおりです。
【構造】
[描画モード:乗算]
[不透明度:75%]
[ノイズ:0%]
[カラー:ブラック]
【エレメント】
[テクニック:さらにソフトに]
[ソース:エッジ]
[チョーク:0%]
[サイズ:32 px]
【画質】
[輪郭:線形]
[アンチエイリアス]を有効
[範囲:50%]
[適用度:0%]
※引き続き設定を行いますので、ダイアログは閉じないでください。
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[レイヤースタイル]ダイアログ
no427_22.png
ドキュメント
卵形のシェイプのエッジに強い陰影が付きました。
[光彩(内側)]の設定は、シェイプのエッジの内側に光彩を付けるもので、[描画モード]を[乗算]、[カラー]を[ブラック]に設定することで、強いシャドウで隈取りをする効果に利用しています。
[ソース]に[エッジ]を設定してから、[サイズ]で陰影のバランスを調整します。
[スタイル]メニューから[光彩(外側)]を選択します。
[レイヤースタイル]ダイアログの設定値は以下のとおりです。
【構造】
[描画モード:乗算]
[不透明度:100%]
[ノイズ:0%]
[カラー:ブラック]
【エレメント】
[テクニック:さらにソフトに]
[スプレッド:0%]
[サイズ:64 px]
【画質】
[輪郭:線形]
[アンチエイリアス]を有効
[範囲:50%]
[適用度:0%]
すべての設定が完了したら[OK]をクリックします。
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[レイヤースタイル]ダイアログ
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ドキュメント
卵形のシェイプの外側に強い陰影が付きました。
[光彩(外側)]の設定は、[光彩(内側)]と同様に、光彩をシャドウの効果に利用する設定をおこないます。
[サイズ]で、卵形のシェイプを浮き出すように、少し誇張した陰影をを調整します。
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[レイヤー]パネル
虹色のグラデーションを着色して完成
[レイヤー]パネルで、[楕円形 1]が選択されていることを確認します。
[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[グラデーションマップ]を選択します。
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[グラデーションマップ]ダイアログ
[グラデーションマップ]ダイアログで、[クリックでグラデーションを編集]をクリックして、[グラデーションエディター]を表示します。
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[グラデーションエディター]ダイアログ
[グラデーションエディター]ダイアログで、図のようなグラデーションを作成します。設定値は以下のとおりです。
[位置:0%][H353/S100/B77]
[位置:20%][H198/S100/B90]
[位置:40%][H57/S100/B100]
[位置:60%][H322/S100/B76]
[位置:80%][H197/S100/B87]
[位置:100%][H59/S100/B97]
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[グラデーションマップ]ダイアログ
[グラデーションマップ]ダイアログで、[グラデーション]を確認します。
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ドキュメント
虹の卵のアブストラクトが完成しました。
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