Photoshop養成ギプス

【絵画調】風景写真を水彩画のスケッチ風にする【1】

-
psgips
【絵画調】風景写真を水彩画のスケッチ風にする【1】
【Photoshop講座】素朴な絵手紙をイメージして、風景写真を水彩画のスケッチ風に加工します。元画像の輪郭から鉛筆による下書きを起こし、画仙紙の粗い風合い活かしながら、絵具を薄く塗り重ねていくタッチを再現しましょう。
鉛筆の下書きを敷く!
絵具を薄く塗り重ねていく水彩画では、鉛筆などの下書き線が残っている場合があります。これをあえて彩色の下に敷くことにより、水彩画のスケッチ風のそれっぽさを演出しましょう。
素材画像を開く
素材画像の「大阪市中央公会堂」を開きます。素材画像は、[幅:1600 pixel][高さ:1200 pixel][解像度:72 pixel/inch][モード:RGBカラー]を使用しています。
素材画像「大阪市中央公会堂」
素材画像「大阪市中央公会堂」
色彩を多く含む風景写真がベスト!
加工する素材は、色彩を多く含む風景写真が好ましいです。作例のような赤いレンガの建物は、木々の緑や青空と補色関係にあるので、写真を水彩画っぽく見せやすいでしょう。
背景を複製する
後の手順で、同じ画像を合成して加工するため、[背景]を複製します。[レイヤー]パネルで、[背景]を[新規レイヤーを作成]にドラッグします。すると、[背景 コピー]が作成されます。つぎに、[背景 コピー]を非表示にして、[背景]を選択します。
[背景]を複製
[背景]を複製
[背景]を選択
[背景]を選択
このレッスンの動画を配信中!
【Photoshop講座】風景写真を水彩画のスケッチ風にする
サムネールをクリックすると、YouTube 動画にリンクします。
下書き風の画像を作成する
選択した[背景]を、白い紙に鉛筆で描いた下書き風に加工します。[フィルター]メニューから、[表現手法]→[輪郭検出]を選択して適用します。
続いて、[イメージ]メニューから、[色調補正]→[彩度を下げる]を選択して適用します。すると、画像から輪郭だけが検出され、わずかに残った色彩がモノクロに変換されます。
[輪郭検出]を適用
[輪郭検出]を適用
[彩度を下げる]を適用
[彩度を下げる]を適用
輪郭検出した結果、白い部分に不自然な斑点模様があるので、画像を補正して白黒のコントラストを強めます。[イメージ]メニューから、[色調補正]→[レベル補正]を選択します。[レベル補正]ダイアログで、[入力レベル]に[0/1.00/204]を入力し、[OK]をクリックします。
[レベル補正]ダイアログを設定
[レベル補正]ダイアログを設定
白い部分にあった不自然な斑点模様が消え、はっきりした線画になりました。
ドキュメント(部分)
ドキュメント(部分)
右側の調整点は白色を調整!
[入力レベル]の右側の調整点は、ハイライト(白色)点を調整するものです。ハイライト点を255階調レベルから204階調レベルに設定することで、画像内の204〜255階調レベルにあった階調が、すべて255階調レベルの白色に調整されます。
鉛筆のタッチを加える
[フィルター]メニューから、[フィルターギャラリー]を選択し、[フィルターギャラリー]操作パネルで、[アーティスティック]→[色鉛筆]を選択します。[色鉛筆]ダイアログで、[芯の太さ]に「1」、[筆圧]に「8」、[用紙の明るさ]に「50」を入力して、[OK]をクリックします。
[色鉛筆]ダイアログ(部分)
[色鉛筆]ダイアログ(部分)
[色鉛筆]で、鉛筆のタッチを加えることができました。
ドキュメント(部分)
ドキュメント(部分)
[色鉛筆]設定のコツ!
[色鉛筆]の設定は、まず、[用紙の明るさ]を調整しましょう。[用紙の明るさ]は、初期設定に「25」が設定されています。これは、適用画像の白い部分を50%グレー(中性色)に調整するもので、「0」で黒、「50」で白に変換されます。ここでは、適用画像の白い部分をそのまま白にしたいので「50」を設定しました。
[芯の太さ]は、初期設定に「3」が設定されています。これは、交差しているタッチの明度を調整するもので、数値が大きくなるほど、コントラストが強くなります。ここでは、適用画像の明るい部分にできるだけタッチを残したいので、いちばん小さな数値「1」を設定しました。
[筆圧]は、初期設定に「8」が設定されています。これは、交差しているタッチの色をブレンドするもので、数値が大きくなるほど、ブレンド量が強くなり色の領域を増やします。ここでは、適用画像がモノクロなので、初期設定の「8」をそのまま設定しました。
トーンを淡くして鉛筆の質感に近づける
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]をクリックし、メニューから[レベル補正]を選択して、[レベル補正 1]を作成します。
[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネル
[レベル補正]ダイアログで、[出力レベル]に[38/255]を入力します。
[レベル補正]ダイアログ
[レベル補正]ダイアログ
黒い部分が濃いグレーに補正され、鉛筆で描いたような色になりました。
ドキュメント(部分)
ドキュメント(部分)
左側の調整点は黒色を調整!
[出力レベル]の左側の調整点は、シャドウ(黒)点を調整するものです。シャドウ点を0階調レベルから38階調レベルに設定することで、画像内の0〜38階調レベルにあった階調が、すべて38階調レベルの濃いグレーに調整されます。
彩色用の画像を表示する
[レイヤー]パネルで、[背景 コピー]を表示して選択し、描画モードに[比較(暗)]を選択します。
[背景 コピー]を選択
[背景 コピー]を選択
[比較(暗)]を選択
[比較(暗)]を選択
すると、部分的に鉛筆のタッチが現れます。
ドキュメント(部分)
ドキュメント(部分)
[比較(暗)]とは?
描画モードの[比較(暗)]は、RGBのチャンネルごとに、背面と前面のレイヤーのカラーを比べて、数値の合計が低い方の色(暗い色)を表示します。
水彩画のぼかし効果を加える
[フィルター]メニューから、[フィルターギャラリー]を選択し、[フィルターギャラリー]操作パネルで、[アーティスティック]→[ドライブラシ]を選択します。[ドライブラシ]ダイアログで、[ブラシサイズ]に「10」、[ブラシの細かさ]に「0」、[テクスチャ]に「1」を入力して、[OK]をクリックします。
[ドライブラシ]ダイアログ
[ドライブラシ]ダイアログ
[ドライブラシ]フィルターで、水彩画のぼかし効果を加えることができました。
ドキュメント(部分)
ドキュメント(部分)
[ドライブラシ]が適用できたら、[レイヤー]パネルで、[背景 コピー]を[新規レイヤーを作成]にドラッグして、[背景 コピー 2]を作成します。複製した[背景 コピー 2]を非表示にして、[背景 コピー]を選択します。
[背景 コピー]を複製
[背景 コピー]を複製
[背景 コピー]を選択
[背景 コピー]を選択
[ドライブラシ]設定のコツ!
[ドライブラシ]の設定は、まず、[ブラシサイズ]を調整しましょう。[ブラシサイズ]は、初期設定に「2」が設定されています。これは、ピクセルをブレンドする大きさを調整するもので、数値が大きくなるほど、単純化される範囲が広くなり、大きなブラシで描いたようなタッチになります。ここでは、できるだけ大まかなぼかし効果を加えたいので、最大値の「10」に設定しました。
[ブラシの細かさ]は、初期設定に「8」が設定されています。これは、ブラシを強調するエッジの幅を調整するもので、数値が大きくなるほどエッジの幅が小さくなり、適用画像のディテールを残せます。ここでは、ディテールを大きく崩したいので、最小値の「0」に設定しました。
[テクスチャ]は、初期設定に「1」が設定されています。これは、ブラシのハロー(光りがぼやけて見える現象)を調整するもので、数値が大きくなるほどハローが強くなり、ランダムなタッチが現れます。ここでは、できるだけフラットな彩色を表現したいので、最小値の「1」に設定しました。
関連記事
psgips
Posted bypsgips