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【選択とマスク】面倒な髪の毛の切り抜きを簡単にする方法【境界線調整ブラシツール】

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【選択とマスク】面倒な髪の毛の切り抜きを簡単にする方法【境界線調整ブラシツール】
【Photoshop基本操作】人物の髪の毛を切り抜く方法は、素材や求められるサイズによってアプローチが違います。いちばん面倒な素材は、街や風景などの背景があり、髪の毛の色が背景色と同じようなもの。このような条件では、はっきり言ってお手上げです。しかし、ほんの少しのごまかしが許されるなら、選択範囲の[選択とマスク]オプションを試してみましょう。意外と簡単に切り抜けるかも知れません。
境界線調整ブラシツールを使おう!
[選択とマスク]オプションは、選択範囲の境界線を編集する機能です。ということは、選択範囲がないと髪の毛は切り抜けないわけで、やっぱり、いつまでもどこまでも、選択範囲って重要なんですね。
[境界線調整ブラシツール]は、ブラシで描画した領域を境界線として、内側と外側に分けるピクセルを、自動的に検知してくれるゴキゲンな機能です。描画を手動で行うことさえ覚悟すれば、難しいとされていた背景からの切り抜きに対応できます。
背景から髪の毛を切り抜く
これから行う操作は、背景がある画像から人物だけを切り抜く方法です。人物を切り抜く用途でいちばん多いのは、背景を真っ白にすることです。カタログや雑誌などに掲載する目的では、オブジェクトを強調する効果と、限られた紙面を有効に利用して、商品説明やキャッチコピーといった文字を、読みやすく配置できるメリットがあります。
元画像→[選択とマスク]で髪の毛を切り抜く
photo by saschaaa
切り抜くことを前提とするなら、白い背景紙でモデル撮影を行うことが最も効率的ですが、野外撮影された素材で、切り抜きを求められることも頻繁にあります。いずれにせよ、人物のイメージを損ねるような「下手な切り抜き」は必要とされません。
パスで輪郭をトレースする
素材を開きます。素材画像は、[幅:2048 pixel]、[高さ:1536 pixel] 、[解像度:72 pixel/inch]、[モード:RGBカラー]を使用しています。
素材画像を開く
素材画像を開く
photo by saschaaa
[ツール]パネルから、[ペンツール]を選択します。
[ペンツール]を選択
[ペンツール]を選択
オプションバーで、[ツールモードを選択]に[パス]を選択します。
[ツールモードを選択]に[パス]を選択
[ツールモードを選択]に[パス]を選択
人物の輪郭に沿ってパスを作成します。
切り抜く輪郭に沿ってパスを作成
切り抜く輪郭に沿ってパスを作成
毛束を意識した選択範囲を作成する!
繊細な選択範囲の作成にはパスが適しています。パスを使用すると言っても、髪の毛一本一本をトレースしていくわけではありません。ある程度のまとまった毛束をベースに[境界線調整ブラシツール]で周辺の髪の毛を検知させるためです。
輪郭の深さに緩急をつけてパスを作成
輪郭の深さに緩急をつけてパスを作成
顔や手など輪郭がはっきりした部分は正確にトレースし、境界線の約 1 〜 2 pixel 内側にパスを配置します。髪の毛の部分は、毛束を意識した大まかな形状をトレースします。境界線の約 6 〜 8 pixel 内側にパスを配置し、薄く透けて見える部分は省略します。
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【Photoshop講座】面倒な髪の毛の切り抜きを簡単にする方法
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パスから選択範囲を作成する
[パス]パネルで、[パスを選択範囲として読み込む]をクリックして、作成したパスの選択範囲を作成します。
[パスを選択範囲として読み込む]をクリック
[パスを選択範囲として読み込む]をクリック
すると、パスを選択範囲として読み込むことができます。
選択範囲を確認
選択範囲を確認
クイック選択ツールを試してみる!
[クイック選択ツール]は、選択したい領域を大まかにドラッグするだけで、自動的に選択範囲を作成してくれる優れた機能です。「色域」や「明度」がはっきりしている素材なら、パスを作成するよりも、境界線の違和感がない最適な選択範囲を作成できることもあります。素材に応じて、[クイック選択ツール]もぜひ試してみてください。
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合成用のレイヤーを作成する
[レイヤー]パネルで、[背景]を[レイヤーを新規作成]にドラッグして、[背景 のコピー]を作成します。
[背景 のコピー]を作成
[背景 のコピー]を作成
[レイヤーマスクを追加]をクリックします。すると、[背景 のコピー]に選択範囲のレイヤーマスクが作成されます。
[レイヤーマスクを追加]をクリック
[レイヤーマスクを追加]をクリック
効率化のための合成用レイヤー!
ここで作成した[背景 のコピー]は、[選択とマスク]オプションで切り抜いたレイヤーと合成して、仕上げ作業を効率化するものです。背景に透けない不透明部分を合成用レイヤーにします。
[背景 のコピー]の[レイヤーの表示 / 非表示]をクリックして、レイヤーを非表示にします。
[背景]を選択します。
[背景]を選択
[背景]を選択
[背景 のコピー]レイヤーマスクサムネールを[command(Ctrl)]キーを押しながらクリック、または右クリックし、コンテキストメニューから[描画ピクセルを選択]を選択して、レイヤーマスクの選択範囲を作成します。
[command(Ctrl)]+クリック
[command(Ctrl)]+クリック
[選択とマスク]のための選択範囲!
[背景 のコピー]にレイヤーマスクを作成すると、選択範囲が自動的に解除されるので、[選択とマスク]オプションのための選択範囲を再び作成します。ここでは、レイヤーマスクから選択範囲を作成しましたが、[パス]パネルで[パス 1]を選択し、[パスを選択範囲として読み込む]をクリック、または[パス 1]サムネールを[command(Ctrl)]キーを押しながらクリックしても、同様の選択範囲が作成できます。
選択範囲を縮小する
[選択範囲]メニューから、[選択範囲を変更]→[縮小]を選択します。[選択範囲を縮小]ダイアログで、[縮小量]に「1」pixel を入力して、[OK]をクリックします。
[選択範囲を縮小]ダイアログを設定
[選択範囲を縮小]ダイアログを設定
縮小された選択範囲を確認します。
縮小された選択範囲を確認
縮小された選択範囲を確認
なぜ選択範囲を縮小するの?
選択範囲を縮小した理由は、[選択とマスク]オプションで背景色を検知しにくくするためです。[選択とマスク]オプションでは、作成した選択範囲を中心線としてエッジの検出が行われます。パスを内側に作成しているので、この操作は必要ないように思いますが、顔や手などの輪郭がはっきりしている部分の切り抜きと、髪の毛の切り抜きは分けて考える必要があります。
[選択とマスク]の検出エリア(35 px の場合)
[選択とマスク]の検出エリア(35 px の場合)
同じ選択範囲で切り抜いた画像をレイヤーで合成すると、境界線付近の透明度を持ったピクセルが加算されるので、境界線にフリンジ(白や黒のフチ線)が出やすくなってしまいます。選択範囲を縮小する理由は、このような現象を防ぐためでもあります。設定値は、どんな大きさの素材画像でも「1」pixel です。
[選択とマスク]モードにする
[選択範囲]メニューから、[選択とマスク]を選択します。すると、[選択とマスク]オプションのモードに切り替わります。
[選択とマスク]モードに切り替わる
[選択とマスク]モードに切り替わる
[属性]パネルで、[表示モード]セクションの[クリックで表示モードを選択]をクリックし、[白地]を選択します。
[白地]を選択
[白地]を選択
[不透明度]に「100%」を入力します。
[不透明度]に「100%」を入力
[不透明度]に「100%」を入力
すると、現在の切り抜き領域が[白地]でプレビューされます。
現在の切り抜き領域が[白地]でプレビューされる
現在の切り抜き領域が[白地]でプレビューされる
切り抜きたい背景色に設定!
[選択とマスク]モードでは、ドキュメントの表示が「背景色」に切り替わります。これは、現在作成されている選択範囲の境界線で、たとえば[白地]を選択しておくと、背景が白色に塗りつぶされたものがプレビューされます。このドキュメントに直接ドラッグやクリックで描画を行い、繊細な髪の毛の部分を抽出していきます。
[白地]のプレビュー→[黒地]のプレビュー
[選択とマスク]オプションでの操作は、白地と黒地、両方で最適な切り抜きを確認することがベストです。白地と黒地を交互に表示させると、それぞれの背景色でヌケの悪い部分が確認できます。
エッジを検出する
[選択とマスク]モードの[ツール]パネルで、[境界線調整ブラシツール]を選択します。
[境界線調整ブラシツール]を選択
[境界線調整ブラシツール]を選択
オプションバーで、[クリックでブラシオプションを開く]をクリックし、[直径]に「35 px」を入力します。
[直径]に「35 px」を入力
[直径]に「35 px」を入力
毛羽立った繊維の境界線を中心としてドラッグします。
マウスボタンを離すと、ドラッグして描画された領域に検出結果が適用されます。
[境界線調整ブラシツール]でドラッグ→ドロップすると検出結果が適用される
[境界線調整ブラシツール]のコツ!
[選択とマスク]は、選択範囲の境界線をぼかしたり、位置を変えたりできる選択範囲の編集機能です。しかし、注目すべき機能は[エッジの検出]で、これを使わずして[選択とマスク]の、本当のパフォーマンスは発揮できないでしょう。
輪郭を予測してドラッグ→広い領域をドラッグ
[境界線調整ブラシツール]での抽出は、結果をあまり気にせず、大胆にドラッグすることがポイントです。強めに抽出しておいて、後の手順で修正する方が効率的です。
髪の毛とはっきりした輪郭が重なっている部分は、まず、予測できる輪郭をドラッグします。続いて、髪の毛が透けている広い領域をドラッグします。同じ要領で、髪の毛と毛羽立った繊維の輪郭をドラッグして抽出し、その他のはっきりした輪郭は、そのままにしておきます。
不要な部分を消去する
オプションバーで、[元のエッジに戻す]をクリックします。
[元のエッジに戻す]をクリック
[元のエッジに戻す]をクリック
[境界線調整ブラシツール]で、エッジを検出した結果、不要な部分があればドラッグして消去します。
[境界線調整ブラシツール]でエッジを検出→[元のエッジに戻す]で不要な部分を消去
[選択とマスク]でエッジの検出ができた
[選択とマスク]でエッジの検出ができた
検出して消去を繰り返す!
[元のエッジに戻す]は、[境界線調整ブラシツール]で描画した検出領域を消去するツールです。[option(Alt)]キーで切り替えることができるので、2つのツールを交互に使い分け、検出する領域をコントロールしましょう。
詳細な部分はクリックして消去
詳細な部分はクリックして消去
作例では、[境界線調整ブラシツール]で検出されてしまった元画像の影を、[元のエッジに戻す]で消去しています。[元のエッジに戻す]は、広い範囲をドラッグし、詳細な部分はクリックして、プレビューで確認しながら調整しましょう。
検出結果をレイヤーに出力する
[属性]パネルで、[出力設定]セクションの[不要なカラーの除去]にチェックマークを入れます。
[適用量]に「50%」を入力します。
[出力先]に[新規レイヤー(レイヤーマスクあり)]を選択します。
すべての設定ができたら、[OK]をクリックします。
検出結果を出力する設定を行う
検出結果を出力する設定を行う
新規レイヤーに出力された画像を確認します。
新規レイヤーに出力された画像を確認
新規レイヤーに出力された画像を確認
[レイヤー]パネルで、出力された新規レイヤー[背景 のコピー 2]を確認します。
[背景 のコピー 2]を確認
[背景 のコピー 2]を確認
不要なカラーの除去とは?
[不要なカラーの除去]を有効にすると、切り抜きの境界線に残った背景色を検出結果の色に近づけて、違和感のないように調整できます。[適用量]はその度合いを設定するもので、数値が大きいほど色の変化が強くなります。
合成画像の境界線をぼかして完成
[レイヤー]パネルで、[背景 のコピー]の[レイヤーの表示 / 非表示]をクリックして、レイヤーを表示します。
[背景 のコピー]レイヤーマスクサムネールをダブルクリックして、[属性]パネルを表示します。
[背景 のコピー]レイヤーマスクをダブルクリック
[背景 のコピー]レイヤーマスクをダブルクリック
[属性]パネルで、[ぼかし]に「1.0 px」を入力します。
[ぼかし]に「1.0 px」を入力
[ぼかし]に「1.0 px」を入力
[レイヤー]パネルで、[背景]を選択します。[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]をクリックし、メニューから[べた塗り]を選択して、[べた塗り 1]を作成します。[カラーピッカー]ダイアログで、[ホワイト]を設定します。
[べた塗り 1]を作成
[べた塗り 1]を作成
髪の毛を切り抜くことができた
髪の毛を切り抜くことができた
透けすぎたエッジをカバー!
[背景 のコピー]は、背景に透けない不透明部分の合成用レイヤーです。[背景 のコピー]の境界線をぼかすことで、合成した境界線や、顔や手などの輪郭がはっきりした部分をなじませます。
[選択とマスク]のみの出力結果
[選択とマスク]のみの出力結果
[背景 のコピー]を表示して合成
[背景 のコピー]を表示して合成
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素材に応じた切り抜き方を考える
髪の毛が切り抜きやすい素材とは、「色域」と「明度」がはっきりしているものです。このいずれかの要素を含んでいると、繊細な部分でも簡単に切り抜く方法はたくさんあります。
「色域」と「明度」がはっきりしていない素材画像→「色域」と「明度」がはっきりしている素材画像
「色域」と「明度」がはっきりしていない素材の極端な例をあげると、明るい土色の壁を背景にした逆光で透けた金髪です。こうなると、髪の毛の切り抜きをあきらめて、他の表現方法を探る方が得策ですね。しかし、同じような素材でも、切り抜ける可能性を持ったものもあります。何事も限度の見極めが必要…ということでしょうか。
素材画像の切り抜き方を考える
作例で使用した素材画像は、ベージュの壁を背景にした淡い栗毛の女性です。背景と髪の毛は同系色なので、「色域」による方法は難しいですが、髪の毛には直射日光が当たってなくて、背景との陰影差も感じられます。
このような素材には、部分的に切り抜く強さが調整できる[選択とマスク]オプションの[境界線調整ブラシツール]が適しています。[境界線調整ブラシツール]には、元となる選択範囲が必要なので、いい結果を出せるような範囲の形状を考える必要があります。
適材適所に使い分け!
[境界線調整ブラシツール]が優れているとは言っても、形状がはっきりした境界線には不向きです。なので、パスによる切り抜きが基本であることには変わりません。曖昧な境界線との棲み分けをし、適材適所にツールや機能を使い分けて、キレイな仕上がりを目指しましょう。
描画した検出エリアを確認する
[境界線調整ブラシツール]の操作は、プレビューで確認しながら行いますが、描画した正確な状態を知りたい場合は、[属性]パネルで、[表示モード]セクションの[境界線を表示]にチェックマークを入れます。
[境界線を表示]にチェックマークを入れる
[境界線を表示]にチェックマークを入れる
[境界線を表示]にチェックマークを入れると、プレビューが[境界線調整ブラシツール]の検出エリア(描画部分)だけを表示します。検出エリアは、できるだけ小さい方がいい結果が出やすくなります。また、形状が複雑すぎてもダメです。形状が複雑だったり不要な部分があると、検出される内容が変わってしまう場合もあるので、必要最低限の領域を[境界線を表示]で確認しながら整えていくといいでしょう。
検出エリアだけを表示
検出エリアだけを表示
違う風景を合成することもできる!
[選択とマスク]オプションで、レイヤーに出力した画像は、背景色を変えたり、他の素材画像をコピー&ペーストして、違う風景に変えることもできます。
他の素材画像を背景として合成
他の素材画像を背景として合成
白地用に切り抜いた画像では、フリンジ(白いフチ線)が気になる場合もあるので、その場合は、[レイヤー]メニューから、[レイヤーマスク]→[適用]を選択し、レイヤーマスクをレイヤーに適用したあと、[レイヤー]メニューから、[マッティング]→[フリンジ削除]を試してみてください。
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