Photoshop養成ギプス

【絵画調】写真をテクニカル・イラスト風に加工する

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【Photoshop講座】テクニカル・イラストレーションとは、工業製品などの技術的な情報を、視覚的に伝達するための技法です。写真では表現しにくいディテールを精密に描き出し、直感的な興味と理解を引き出すために使われます。表現のポイントとなるのは、シャープなシルエットと克明な陰影。写真の生っぽさを消し、エアブラシで描かれたような精悍なタッチで仕上げましょう。
整理したリアルを追求する!
写真を絵画調に加工する方法とは違って、テクニカル・イラストレーションには、ハードな輪郭や滑らかな表面が求められます。写真を言いかえるなら「ノイズの集合体」みたいなものですから、この両者を表現しようとすると、案外手強いと感じるかも知れません。誇張した補正はノイズの出現を招くし、陰影を起こすとメリハリがなくなる。相反する効果をどのように組み立てていけばよいか? これは簡単そうに見えて難しいものです。画像をシャープにする[アンシャープマスク]の、本来なら邪魔な存在の「ハロー」を逆手に取って、フラットな面にグラデーションを発生させる技をベースに構築していきましょう。
面をぼかして輪郭をシャープにする
ありがちなハイコントラストに仕上げれば、テクニカル・イラストレーション風のものができるという考え方は間違いです。陰影も克明に表現してこそ、そこに役割や意図が含まれてくるものです。難敵はノイズ。ディテールを崩さず、いかにノイズを解消していくか。[ノイズを軽減]と[ぼかし(詳細)]を段階的に適用し、[アンシャープマスク]で一気に仕上げましょう。
素材画像を開く
素材画像を開きます。
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※[幅:1600 pixel]、[高さ:1200 pixel] 、[解像度:72 pixel/inch]、[モード:RGBカラー]を使用しています。
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[レイヤー]パネル
元画像を保護するため、レイヤーを複製します。
[レイヤー]パネルで、[背景]を[新規レイヤーを作成]ボタンにドラッグして、[背景 コピー]を作成します。
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[ノイズを軽減]ダイアログ
画像のノイズを軽減する
[フィルター]メニューから[ノイズ]→[ノイズを軽減]を選びます。
[ノイズを軽減]ダイアログで、[設定]に[初期設定]を選択して、[OK]をクリックします。
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[シャドウ・ハイライト]ダイアログ(簡易表示)
陰影を明るくする
[イメージ]メニューから[色調補正]→[シャドウ・ハイライト]を選びます。
[シャドウ・ハイライト]ダイアログで、[詳細オプションを表示]をクリックします。
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[シャドウ・ハイライト]ダイアログ(詳細オプションを表示)
[シャドウ・ハイライト]ダイアログは、あらかじめ初期設定がされています。
作例では、初期設定を適用していますが、素材に応じて[シャドウ]セクションの[量]と、[調整]セクションの[カラー補正]を調整してください。
[シャドウ]セクションの[量]を設定する
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ドキュメント
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[シャドウ・ハイライト]ダイアログ(部分)
[シャドウ]の[量]を大きくすると、陰影が明るくなります。
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ドキュメント
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[シャドウ・ハイライト]ダイアログ(部分)
[シャドウ]の[量]を小さくすると、陰影は元の状態に近づきます。
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ドキュメント
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[シャドウ・ハイライト]ダイアログ(部分)
素材に応じて、陰影の明るさを少し誇張し、[量]を設定します。
[調整]セクションの[カラー補正]を設定する
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ドキュメント
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[シャドウ・ハイライト]ダイアログ(部分)
[調整]の[カラー補正]を右側へドラッグすると、[量]の設定値に応じて彩度が高くなります。
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ドキュメント
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[シャドウ・ハイライト]ダイアログ(部分)
[調整]の[カラー補正]を左側へドラッグすると、[量]の設定値に応じて彩度が低くなります。
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[シャドウ・ハイライト]ダイアログ
[調整]セクションの[カラー補正]は、素材に応じて少し彩度を高く設定します。
[シャドウ・ハイライト]ダイアログで、[シャドウ]セクションの[量]と、[調整]セクションの[カラー補正]が設定できたら、[OK]をクリックします。
陰影を明るく補正できました。
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ドキュメント
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[ぼかし(詳細)]ダイアログ
面を滑らかにする
[フィルター]メニューから[ぼかし]→[ぼかし(詳細)]を選びます。
[ぼかし(詳細)]ダイアログで、[しきい値]に「8.1」を設定し、[OK]をクリックします。
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ドキュメント
輪郭を維持しながら、面を滑らかにして、詳細なトーンや不要なノイズを、簡略化することができました。
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[アンシャープマスク]ダイアログ
面に誇張した調子を付ける
[フィルター]メニューから[シャープ]→[アンシャープマスク]を選びます。
[アンシャープマスク]ダイアログで、[量]に「100」%を設定します。
[アンシャープマスク]の[半径]を設定する
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ドキュメント
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[アンシャープマスク]ダイアログ(部分)
[半径]を大きくすると、輪郭に光がぼけたようなハローが現れます。このハローを利用して、面に誇張した調子を付けます。
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[アンシャープマスク]ダイアログ
[アンシャープマスク]ダイアログで、[量]に「100」%、[半径]に「8.0」pixelを設定し、[OK]をクリックします。
簡略化した面に調子が付きました。
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ドキュメント
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[レイヤー]パネル
色調のバランスを崩す
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[カラーバランス]を選びます。
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[カラーバランス]ダイアログ
[カラーバランス]ダイアログで、少し青味がかった色調に調整します。
暫定的に[シアン / レッド]に「−20」、[イエロー / ブルー]に「+20」を設定します。
写真の生っぽさを消すには、[マゼンタ / グリーン]がポイントです。
[カラーバランス]の[マゼンタ / グリーン]を設定する
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ドキュメント
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[カラーバランス]ダイアログ(部分)
暖色系に調整するなら[グリーン]側へ設定します。
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ドキュメント
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[カラーバランス]ダイアログ(部分)
寒色系に調整するなら[マゼンタ]側へ設定します。
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[カラーバランス]ダイアログ
最後に[イエロー / ブルー]を微調整します。
少し青味がかった調整ができました。
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ドキュメント
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ドキュメント
背景を白く塗りつぶす
カメラに選択範囲を作成します。
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ドキュメント
[選択範囲]メニューから[選択範囲を反転]を選んで、選択範囲を反転します。
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[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[べた塗り]を選びます。
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[カラーピッカー]ダイアログ
[カラーピッカー]ダイアログで、新しい色に[ホワイト]を設定し、[OK]をクリックします。
テクニカル・イラスト風の加工ができました。
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ドキュメント
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Posted bypsgips