Photoshop養成ギプス

【絵画調】スケッチから本物を浮かび上がらせる

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【Photoshop講座】 すばやく描いたクロッキー調のタッチから、本物の写真が浮かび上がったような処理を加えます。再編集できるスマートフィルターを可能な限り使用し、複雑な作業を整理して最短の手順で組み立てましょう。
実像との境界線をぼかす!
写真をクロッキー調に加工すると輪郭が抽出されます。見せ方の大きな違いは色ではなくココです。切り抜いたオブジェクトの境界線をぼかすことで不透明度が調整され、クロッキー調の輪郭が浮かび上がります。写真と共存する部分は、絵筆で着色したようになるので、実像と虚像が入り交じった不思議な効果が現れます。
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ドキュメント
素材画像を開く
素材画像を開きます。
※[幅:1600 pixel]、[高さ:1063 pixel] 、[解像度:72 pixel/inch]、[モード:RGBカラー]を使用しています。
背景を複製してグループを作成する
[レイヤー]パネルで、[背景]サムネールを[新規レイヤーを作成]ボタンにドラッグして、[背景 コピー]を作成します。
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[レイヤー]パネル
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[レイヤー]パネル
[新規グループを作成]ボタンをクリックし、[グループ 1]を作成して、そのフォルダーに[背景 コピー]をドラッグします。
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【Photoshop講座】スケッチから本物を浮かび上がらせる
サムネールをクリックすると、YouTube 動画にリンクします。
選択範囲を作成してマスクする
実像で残す部分に選択範囲を作成します。
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ドキュメント
選択範囲が作成できたら、[レイヤー]パネルで、[グループ 1]を選択し、[レイヤーマスクを追加]ボタンをクリックします。すると、[グループ 1]に選択範囲のレイヤーマスクが追加されます。
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[レイヤー]パネル
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[レイヤー]パネル
command〔Ctrl〕+Iキーを押して、階調を反転します。すると、レイヤーマスクの白黒が反転し、実像で残す部分が隠されます。
クロッキー調のタッチに加工する
[レイヤー]パネルで、[背景 コピー]を選択し、[フィルター]メニューから[スマートフィルター用に変換]を選びます。
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[レイヤー]パネル
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[レイヤー]パネル
すると、レイヤーサムネールがスマートフィルター用に変換されたことを示す表示に変わります。
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[色鉛筆]ダイアログ(部分)
[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]を選びます。[フィルターギャラリー]のカテゴリから[アーティスティック]→[色鉛筆]を選びます。
[色鉛筆]ダイアログで、[芯の太さ]に「1」、[筆圧]に「8」、[用紙の明るさ]に「50」を設定して、[OK]をクリックします。
[色鉛筆]の初期設定は、[芯の太さ:3]、[筆圧:8]、[用紙の明るさ:25]です。[用紙の明るさ]はコントラストを調整するもので、最大値の「50」に設定すると、適用する画像のハイライト領域(明るい部分)が真っ白になります。[芯の太さ]は、線状のタッチの太さで、数値が小さくなるほど細くなります。[筆圧]は中間調のバランスで、初期設定の「8」が中間点になります。
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ドキュメント
背面に[色鉛筆]が適用され、クロッキー調のタッチに加工できました。
COLUMN
スマートフィルター用に変換とは?
通常のレイヤーでは、フィルターを適用してしまうと元の状態には戻せませんが、[スマートフィルター用に変換]を適用しておくと、いつでも再編集が可能になります。そんな便利な機能は初期設定にしておいてくれよ!と言いたくなりますが、フィルターの組み合わせ効果は、それぞれが独立して行われるため、ピクセルのブレンド部分で、思うような効果が発揮できない場合もあります。単体のフィルター適用など、シンプルな利用方法に適しています。
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[レイヤー]パネル
境界線をぼかす
[レイヤー]パネルで、[グループ 1]レイヤーマスクサムネールを選択し、command〔Ctrl〕キーを押しながらクリックします。
すると、レイヤーマスクの選択範囲が作成されます。
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ドキュメント
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ドキュメント
選択範囲が作成できたら、shift+command〔Ctrl〕+Iキーを押して、選択範囲を反転します。
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[境界をぼかす]
[選択範囲]メニューから[選択範囲を変更]→[境界をぼかす]を選びます。
[境界をぼかす]ダイアログで、[ぼかしの半径]に「80」pixelを設定して、[OK]をクリックします。
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ドキュメント
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ドキュメント
選択範囲の境界線がぼかせたら、shift+command〔Ctrl〕+Iキーを押して、選択範囲を反転します。
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ドキュメント
[編集]メニューから[塗りつぶし]を選びます。
[塗りつぶし]ダイアログで、[使用]に[ホワイト]を設定して、[OK]をクリックします。
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ドキュメント(部分拡大 / 塗りつぶし前)
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ドキュメント(部分拡大 / 塗りつぶし後)
選択範囲がホワイトで塗りつぶせたら、command〔Ctrl〕+Dキーを押して選択を解除します。
すると、切り抜いたオブジェクトの境界線がぼけて、クロッキー調の輪郭が浮かび上がりました。
COLUMN
グループ内のレイヤーをまとめてマスクする!
切り抜いたオブジェクトは、[グループ 1]に作成したレイヤーマスクで、[背面]の画像が表示されています。レイヤーマスクの境界線をぼかすと不透明度が調整され、[グループ 1]の中にある[背景 コピー]に反映されます。[グループ 1]内に格納されたレイヤーは、すべて共通の表示領域が適用されます。
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[レイヤー]パネル
背面を浮かび上がらせる
[レイヤー]パネルで、[背景 コピー]を選択します。
[べた塗りまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[べた塗り]を選びます。
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[カラーピッカー]ダイアログ
[カラーピッカー]ダイアログで、新しい色に[ホワイト]を設定して、[OK]をクリックします。
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ドキュメント
背面がホワイトで塗りつぶされました。
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[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[べた塗り]レイヤーマスクサムネールを選択します。
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ブラシツール
[ツール]パネルから[ブラシツール]を選びます。
オプションバーで、[直径]に「400 px」、[硬さ]に「0%」を設定します。
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オプションバー
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描画色と背景色
[描画色と背景色を入れ替え]をクリックして、[描画色]に[ブラック]を設定します。
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ドキュメント
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ドキュメント
ドキュメント内をランダムにドラッグし、背面の画像を浮かび上がらせます。
COLUMN
大胆に塗りつぶそう!
ブラシのぼけあしが長いので、大胆に塗りつぶすだけで全体が浮かび上がってきます。ドキュメント内をランダムに、一度のドラッグで手早く描きましょう。
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[レイヤー]パネル
クロッキー調のタッチを補正して強くする
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[レベル補正]を選びます。
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[レベル補正]ダイアログ
[レベル補正]ダイアログで、入力レベルに「0 / 0.50 / 255」を設定します。
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ドキュメント
クロッキー調を強くする補正ができました。
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ドキュメント
クロッキー調のタッチに単色の色付けをする
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[グラデーションマップ]を選びます。
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[グラデーションマップ]ダイアログ
[グラデーションマップ]ダイアログで、[クリックでグラデーションを編集]をクリックして、[グラデーションエディター]ダイアログを表示します。
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[グラデーションマップ]ダイアログ
[グラデーションエディター]ダイアログで、[位置:0%][H:25° / S:80% / B:35%]、[位置:100%][H:40° / S:10% / B:90%]を設定して、[OK]をクリックします。
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ドキュメント
クロッキー調が着色できました。
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[レイヤー]パネル
表面にカンバスのテクスチャを加える
[レイヤー]パネルで、[新規レイヤーを作成]ボタンをoption〔Alt〕キーを押しながらクリックして、[新規レイヤー]ダイアログを表示します。
[新規レイヤー]ダイアログで、[描画モード]に[オーバーレイ]を選択し、[オーバーレイの中性色で塗りつぶす(50%グレー)]にチェックマークを入れて、[OK]をクリックします。
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[新規レイヤー]ダイアログ
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[レイヤー]パネル
[フィルター]メニューから[スマートフィルター用に変換]を選びます。
すると、レイヤーサムネールがスマートフィルター用に変換されたことを示す表示に変わります。
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[テクスチャライザー]ダイアログ
[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]を選びます。[フィルターギャラリー]のカテゴリから[テクスチャ]→[テクスチャライザー]を選びます。
[テクスチャライザー]ダイアログで、[テクスチャ]に[カンバス]、[拡大・縮小]に「200」%、[レリーフ]に「6」、[照射方向]に[上へ]を設定して、[OK]をクリックします。
[テクスチャライザー]の初期設定は、[テクスチャ:カンバス]、[拡大・縮小:100%]、[レリーフ:4]、[照射方向:上へ]です。[テクスチャ]は、起伏の高さを階調でコントロールする、シームレスパターンのビットマップ画像を選択するもので、[拡大・縮小]の「100%」が、その画像の原寸になります。[レリーフ]は、起伏の高さにより陰影をつける誤差の大きさで、数値が大きいほど起伏が高くなったように見えます。[照射方向]は、陰影の角度を8方向から選べます。
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ドキュメント(部分拡大 / 適用前)
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ドキュメント(部分拡大 / 適用後)
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[レイヤー]パネル
用紙の表面にでこぼこの風合いをつける
[レイヤー]パネルで、[新規レイヤーを作成]ボタンをクリックして、[レイヤー 2]を作成します。描画モードに[オーバーレイ]を設定します。
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ドキュメント
[フィルター]メニューから[描画]→[雲模様 1]を選びます。
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[エンボス]ダイアログ
[フィルター]メニューから[表現手法]→[エンボス]を選びます。
[エンボス]ダイアログで、[角度]に「120」°、[高さ]に「16」pixel、[量]に「100」%を設定して、[OK]をクリックします。
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ドキュメント
用紙の表面にでこぼこの風合いがつきました。
COLUMN
中性色に変化するエンボス!
[エンボス]を適用すると、50%グレーを境界として画素のでこぼこが表現されます。でこぼこが表現される境界を除いて、ほとんどが50%グレーになるので、レイヤーの描画モードを[オーバーレイ]にすると、その部分が中性色となり背面の画像を表示します。
用紙の背面に色の台紙を敷く
ドキュメントの内側に選択範囲を作成し、shift+command〔Ctrl〕+Iキーを押して、選択範囲を反転します。
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ドキュメント
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ドキュメント
[レイヤー]パネルで、[レイヤー 1]を[新規レイヤーを作成]ボタンにドラッグして、[レイヤー 1 コピー]を作成します。[レイヤー 1 コピー]を最前面へドラッグして移動します。
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[レイヤー]パネル
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[レイヤー]パネル
[グループ 1]の左端にある▼をクリックして、グループの内容をたたみます。[新規グループを作成]ボタンをクリックして、[グループ 2]を作成します。[レイヤー 1 コピー]をドラッグして、[グループ 2]の中へ入れます。[レイヤー 1 コピー]の[レイヤーの表示 / 非表示]をクリックして、レイヤーを非表示にします。
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[レイヤー]パネル
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[レイヤー]パネル
[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]ボタンをクリックして、メニューから[べた塗り]を選びます。
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[カラーピッカー]ダイアログ
[カラーピッカー]ダイアログで、[H:60° / S:25% / B:75%]を設定して、[OK]をクリックします。
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ドキュメント
台紙の色がつきました。
台紙に小さなテクスチャを適用する
[レイヤー]パネルで、[レイヤー 1 コピー]をドラッグして、[べた塗り 2]の全面へ移動します。
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[レイヤー]パネル
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[レイヤー]パネル
[レイヤー 1 コピー]の[レイヤーの表示 / 非表示]をクリックして、レイヤーを表示します。option〔Alt〕+command〔Ctrl〕+Gキーを押して、クリッピングマスクを作成します。
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[レイヤー]パネル
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[レイヤー]パネル
[フィルターギャラリー]をダブルクリックして、[テクスチャライザー]ダイアログを表示します。
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[テクスチャライザー]ダイアログボックス
[テクスチャライザー]ダイアログで、[テクスチャ]に[カンバス]、[拡大・縮小]に「100」%、[レリーフ]に「4」、[照射方向]に[上へ]を設定して、[OK]をクリックします。
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ドキュメント(部分拡大)
台紙に小さな数値のテクスチャが適用できました。
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[レイヤー]パネル
台紙との境界線に破れを表現する
[レイヤー]パネルで、[べた塗り 2]レイヤーマスクサムネールをoption〔Alt〕キーを押しながらクリックして、ドキュメントウィンドウをレイヤーマスク表示に切り替えます。
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ドキュメント(通常表示)
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ドキュメント(レイヤーマスク表示)
[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]を選びます。
[フィルターギャラリー]のカテゴリから[ブラシストローク]→[はね]を選びます。[はね]ダイアログで、[スプレー半径]に「20」、[滑らかさ]に「5」を設定します。
[新しいエフェクトレイヤー]をクリックし、[スケッチ]→[ぎざぎざのエッジ]を選びます。[ぎざぎざのエッジ]ダイアログで、[画像のバランス]に「25」、[滑らかさ]に「11」、[コントラスト]に「17」を設定して、[OK]をクリックします。
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[はね]ダイアログ
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[ぎざぎざのエッジ]ダイアログ
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ドキュメント(部分拡大 / レイヤーマスク表示)
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ドキュメント(部分拡大 / レイヤーマスク表示)
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[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[べた塗り 2]レイヤーマスクサムネールをoption〔Alt〕キーを押しながらクリックして、ドキュメントウィンドウを通常表示に切り替えます。
台紙との境界線に破れが表現できました。
スケッチから本物を浮かび上がらせた、ちょっと不思議な作品が完成しました。
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ドキュメント
COLUMN
雑誌記事風に仕上げてみよう!
レッスンでは文字入力については省略していますが、イメージの雰囲気を盛り上げるには、タイトルや本文などの文字要素が不可欠です。内容を自由にアレンジして、雑誌記事風に仕上げてみるのも面白いでしょう。
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