【イラスト効果】写真を紙幣のような線画にする【パターンを定義】
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【Photoshop講座】紙幣の肖像や図案が、細い線や点で描かれているのをご存知でしょうか?その緻密で繊細な技法は、アンティークな演出に欠かすことができません。4種類の波線のパターンを使って、写真を紙幣のような線画にする方法をご紹介しましょう。
濃淡を2階調化のしきい値で変える!
明るい部分を細い線、暗い部分を太い線にすれば、写真の濃淡の違いを表すことができます。角度の違う線を交差させれば、さらに濃い部分が作り出せます。[2階調化]の[しきい値]は、写真を白黒に分ける境界が設定できるので、使用する線(パターン)に応じた領域をカンタンに指定することができます。

パターン「2px_0msk」
4種類のパターンを準備する
マスクとして使用することを前提とした、細い波線のシームレスパターン(つなぎ目のない模様)を作成します。
256 x 256 pixelのドキュメントに、2 pxの太さの波線(白)をパターン化した画像を開きます。
パターンは、Webブラウザからドラッグ&ドロップしてダウンロードしてください。
[編集]メニューから[パターンを定義]を選び、[パターン名]に「2px_0msk」を入力して、[OK]をクリックします。

[パターン名]ダイアログ

パターン「4px_90msk」

パターン「6px_0msk」

パターン「1px_45msk」
同じ要領で、線の太さと角度を変えたパターンを作成し、それぞれのパターンを定義して、プリセットに保存します。
いちばん細い波線のパターンは、角度を45°に傾かせたいので、362 x 362 pixel(√2倍)のドキュメントに、パターンを作成します。
パターンは、Webブラウザからドラッグ&ドロップしてダウンロードしてください。
ドキュメントに素材をペーストする
1600 x 900 pixelの新規画像を作成します。

[Photoshop]操作パネル

[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[新規グループを作成]をoption〔Alt〕キーを押しながらクリックします。
[新規グループ]ダイアログで、[名前]に「6px_0」を入力し、[描画モード]に[乗算]を設定して、[OK]をクリックします。

[新規グループ]ダイアログ
[6px_0]グループが作成できたら、素材画像をコーピー&ペーストして、[6px_0]グループ内に[レイヤー 1]を作成します。

[Photoshop]操作パネル

[レイヤー]パネル
2階調化してパターンを適用する
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]をクリックし、メニューから[2階調化]を選びます。

[2階調化]ダイアログ
[2階調化]ダイアログで、[しきい値]に「80」を設定します。

ドキュメント
素材画像が、[しきい値]に「80」で2階調化されました。

[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[6px_0]グループを選択して、[レイヤーマスクを追加]をクリックします。レイヤーマスクサムネールをoption〔Alt〕キーを押しながらクリックして、ドキュメントをレイヤーマスク編集モードに切り替えます。

[Photoshop]操作パネル
[編集]メニューから[塗りつぶし]を選びます。[塗りつぶし]ダイアログで、[使用]に[パターン]を選択します。[クリックでパターンピッカーを開く]をクリックし、[6px_0msk]を選択して、[OK]をクリックします。

[塗りつぶし]ダイアログ
レイヤーマスクにパターンが塗りつぶせました。

[Photoshop]操作パネル
[レイヤー]パネルで、[6px_0]グループをクリックして、ドキュメントを通常の編集モードに切り替えます。2階調化した黒い部分に、パターンが適用されました。

[Photoshop]操作パネル
グループを複製する
[レイヤー]パネルで、[6px_0]グループを[新規レイヤーを作成]にドラッグして、グループを3つ複製します。グループ名を上から[1px_45]、[2px_0]、[4px_90]に変更します。上から2つのグループを非表示にしておきます。

グループを3つ複製

グループ名を変更
パターンと設定値を変更する
[レイヤー]パネルで、[4px_90]グループのレイヤーマスクを表示し、パターン[4px_90msk]で塗りつぶします。[4px_90]グループの[2階調化 1]をダブルクリックして、[しきい値]を「112」に変更します。

[Photoshop]操作パネル

パターン「4px_90msk」

[しきい値]を「112」に変更
[レイヤー]パネルで、[2px_0]グループのレイヤーマスクを表示し、パターン[2px_0msk]で塗りつぶします。[2px_0]グループの[2階調化 1]をダブルクリックして、[しきい値]を「144」に変更します。

[Photoshop]操作パネル

パターン「2px_0msk」

[しきい値]を「144」に変更
[レイヤー]パネルで、[1px_45]グループのレイヤーマスクを表示し、パターン[1px_45msk]で塗りつぶします。[1px_45]グループの[2階調化 1]をダブルクリックして、[しきい値]を「176」に変更します。

[Photoshop]操作パネル

パターン「1px_45msk」

[しきい値]を「176」に変更
古い紙の質感を加える
[レイヤー]パネルで、[1px_45]グループをたたんで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]をクリックし、メニューから[グラデーションマップ]を選びます。[クリックでグラデーションを編集]をクリックして、[グラデーションエディター]ダイアログを表示します。

[Photoshop]操作パネル

[グラデーションエディター]ダイアログ
[グラデーションエディター]ダイアログで、インク(線画)と紙(背景)の色を設定します。[位置:0%]に[H20 S50 B20]、[位置:100%]に[H35 S25 B65]を設定して、[OK]をクリックします。

[Photoshop]操作パネル

[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[新規レイヤーを作成]をクリックして、[レイヤー 2]を作成します。[フィルター]メニューから[スマートフィルター用に変換]を選びます。
レイヤーに[スマートフィルター用に変換]を適用しておくと、フィルターの効果が再編集できます。複数のフィルターを組み合わせて適用するときなどに便利です。
[フィルター]メニューから[描画]→[雲模様 1]を選びます。

[雲模様 1]を適用

[エンボス]を適用

[エンボス]ダイアログ
[フィルター]メニューから[表現手法]→[エンボス]を選び、[エンボス]ダイアログで、[角度]に「−60」°、[高さ]に「6」pixel、[量]に「100」%を設定して、[OK]をクリックします。
[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]を選びます。[フィルターギャラリー]操作パネルで、[テクスチャ]→[テクスチャライザー]を選択します。

[フィルターギャラリー]操作パネル

[テクスチャライザー]ダイアログ
[テクスチャライザー]ダイアログで、[テクスチャ]に[砂岩]、[拡大・縮小]に「200」%、[レリーフ]に「2」、[照射方向]に[上]を設定します。
[フィルターギャラリー]操作パネルで、[新しいエフェクトレイヤー]をクリックし、[テクスチャ]→[粒状]を選択します。

[フィルターギャラリー]操作パネル

[粒状]ダイアログ
[粒状]ダイアログで、[粒子の種類]に[擬集]を選択し、[コントラスト]に「50」、[密度]に「15」を設定して、[OK]をクリックします。
[レイヤー]パネルで、描画モードに[オーバーレイ]を設定します。古い紙の質感が表現できました。

[Photoshop]操作パネル

[グラデーションエディター]ダイアログ
ビネット効果を加える
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]をクリックし、メニューから[グラデーション]を選びます。[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログで、[クリックでグラデーションを編集]をクリックして、[グラデーションエディター]を表示します。
[グラデーションエディター]ダイアログで、[プリセット]に[描画色から背景色]を選択します。右側(白)のカラー分岐点をドラッグし、[位置]に「75」%を設定して、[OK]をクリックします。

[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログ
[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログで、[スタイル]に[円形]、[角度]に「0」°を設定し、[逆方向]にチェックマークを入れて、[OK]をクリックします。
ドキュメントがグラデーションで塗りつぶされました。

[Photoshop]操作パネル
[レイヤー]パネルで、描画モードに[乗算]を設定し、[不透明度]に「50%」を設定します。ビネット効果を加えることができました。

[Photoshop]操作パネル
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