【絵画調】写真のハトを屏風絵にする
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【Photoshop講座】日本の伝統芸術のひとつに屏風絵があります。地色に金箔を敷くと、豪華で古典的なイメージが演出できます。日本画の特徴は平面的な技法にありますが、「隈取り」という対象物の立体感や形態を強調する、ぼかしや濃淡を入れる工夫がされています。まずはお手軽なハトをモチーフとして、それっぽく仕上げてみましょう。
検出したエッジで隈取りを作成する!
[エッジの光彩]は、検出したエッジの太さを自由にコントロールできます。別々に検出した太いエッジと細いエッジを合成すれば、隈取りの目的である立体感やカタチを強調する効果が作り出せます。単純化した塗りの部分に再び階調を付け、さらにディテールを起こすと、写真の生っぽさがなくなり、絵画調に近づけることができます。

[Photoshop]操作パネル
配置する素材の選択範囲を作成し、ドキュメントにコピー&ペーストします。

[Photoshop]操作パネル

配置する素材を開く

選択範囲を作成してコピー
オブジェクトの大きさや、配置する場所を調整します。

[Photoshop]操作パネル

[レイヤー]パネル
金屏風の色を設定する
[レイヤー]パネルで、[レイヤー 1]レイヤーサムネールをcommand〔Ctrl〕キーを押しながらクリックし、オブジェクトの選択範囲を作成します。shift+command〔Ctrl〕+Iキーを押して、選択範囲を反転します。

オブジェクトの選択範囲を作成

選択範囲を反転

[レイヤー]パネル
[レイヤー]パネルで、[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]をクリックし、メニューから[グラデーション]を選びます。

[グラデーションエディター]ダイアログ
[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログで、[クリックでグラデーションを編集]をクリックし、[グラデーションエディター]ダイアログで、[位置:0%]に[H:40° S:60% B:75%]、[位置:100%]に[H:40° S:40% B:80%]を設定して、[OK]をクリックします。

[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログ
[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログで、[ディザ]にチェックマークを入れ、[OK]をクリックします。

ドキュメント
金屏風の色が設定できました。

[レイヤー]パネル

[マスク]パネル
[マスク]パネルで、[ぼかし]に「16.0 px」を設定します。
すると、オブジェクトの境界に背景色(白)が現れ、カタチを強調する効果の隈取りが作り出せます。

適用前

[ぼかし]に「16.0 px」を設定
金屏風の質感を表現する
[レイヤー]メニューから、[新規]→[レイヤー]を選びます。

[新規レイヤー]ダイアログ
[新規レイヤー]ダイアログで、[レイヤー名]に「テクスチャ」を入力し、[下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成]にチェックマークを入れます。[描画モード]に[オーバーレイ]を設定し、[オーバーレイの中性色で塗りつぶす(50%グレー)]にチェックマークを入れ、[OK]をクリックします。

[フィルターギャラリー]操作パネル

[粒状]ダイアログ
[フィルター]メニューから[スマートフィルター用に変換]を選びます。[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]を選び、[フィルターギャラリー]操作パネルで、[テクスチャ]→[粒状]を選択します。
[粒状]ダイアログで、[粒子の種類]に[凝集]を選択し、[密度]に「30」、[コントラスト]に「50」を設定して、[OK]をクリックします。

適用前

背景のグラデーションに[粒状]を適用
[レイヤー]メニューから、[新規塗りつぶしレイヤー]→[グラデーション]を選びます。

[新規レイヤー]ダイアログ
[新規レイヤー]ダイアログで、[レイヤー名]に「反射」を入力し、[下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成]にチェックマークを入れます。[描画モード]に[オーバーレイ]、[不透明度]に「50」%を設定して、[OK]をクリックします。

[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログ
[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログで、[スタイル]に「反射」を選択して、[逆方向]と[ディザ]にチェックマークを入れます。[比率]に「150」%を設定して、[OK]をクリックします。

適用前

[グラデーション]を適用

[レイヤー]パネル
金屏風の質感が表現できました。
[レイヤー]パネルで、新しく作成した2つのレイヤーを確認しましょう。[反射]、[テクスチャ]のレイヤーサムネールの左側には、カギ矢印のマークが付けられています。これは、クリッピングマスクを示すもので、効果や調整を下のレイヤー[グラデーション 1]のみに影響を与えることができます。
絵画調に加工する
[レイヤー]パネルで、[レイヤー 1]を選択します。command〔Ctrl〕+Eキーを押して、[背景]と結合します。

[レイヤー 1]を選択

[背景]と結合
[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]を選び、[フィルターギャラリー]操作パネルで、[アーティスティック]→[ドライブラシ]を選択します。

[フィルターギャラリー]操作パネル

[ドライブラシ]ダイアログ
[ドライブラシ]ダイアログで、[ブラシサイズ]に「2」、[ブラシの細かさ]に「8」、[テクスチャ]に「1」を設定して、[OK]をクリックします。

[ぼかし(ガウス)]ダイアログ
[フィルター]メニューから[ぼかし]→[ぼかし(ガウス)]を選び、[半径]に「2.0」pixelを設定して、[OK]をクリックします。

適用前

[ドライブラシ]を適用
背景を複製する
[レイヤー]パネルで、[背景]を[新規レイヤーを作成]にドラッグして複製します。描画モードに[オーバーレイ]、[不透明度]に「50%」を設定します。

[背景]を複製

[描画モード]と[不透明度]を設定
[レイヤー]パネルで、[背景 コピー]を[新規レイヤーを作成]にドラッグして複製します。レイヤー名を上から「隈取り(小)」、「隈取り(大)」に変更し、「隈取り(小)」を非表示にしておきます。

[背景 コピー]を複製

レイヤー名を変更
大きな隈取りで立体感を出す
command〔Ctrl〕+Iキーを押して、階調を反転します。
[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]を選び、[フィルターギャラリー]操作パネルで、[表現手法]→[エッジの光彩]を選択します。

[フィルターギャラリー]操作パネル

[エッジの光彩]ダイアログ
[エッジの光彩]ダイアログで、[エッジの幅]に「14」、[エッジの明るさ]に「6」、[滑らかさ]に「15」を設定して、[OK]をクリックします。
command〔Ctrl〕+Iキーを押して、階調を反転します。

[ぼかし(ガウス)]ダイアログ
[フィルター]メニューから[ぼかし]→[ぼかし(ガウス)]を選び、[半径]に「8」pixelを設定して、[OK]をクリックします。

適用前

大きな隈取りを作成

[レイヤー]パネル
小さな隈取りでハッキリさせる
[レイヤー]パネルで、[隈取り(小)]を選択します。
command〔Ctrl〕+Iキーを押して、階調を反転します。
[フィルター]メニューから[フィルターギャラリー]を選び、[フィルターギャラリー]操作パネルで、[表現手法]→[エッジの光彩]を選択します。

[フィルターギャラリー]操作パネル

[エッジの光彩]ダイアログ
[エッジの光彩]ダイアログで、[エッジの幅]に「4」、[エッジの明るさ]に「6」、[滑らかさ]に「5」を設定して、[OK]をクリックします。
command〔Ctrl〕+Iキーを押して、階調を反転します。

[ぼかし(ガウス)]ダイアログ
[フィルター]メニューから[ぼかし]→[ぼかし(ガウス)]を選び、[半径]に「2.0」pixelを設定して、[OK]をクリックします。

適用前

小さな隈取りを作成

[レイヤー]パネル
内側の大きな隈取りで立体感を出し、小さな隈取りでディテールをハッキリさせることができました。

ドキュメント
写真のハトを屏風絵にすることができました。