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【画像合成】テレビ画面にぴったりはめ込む【スナップ】

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【画像合成】テレビ画面にぴったりはめ込む【スナップ】
【Photoshop講座】テレビ画面などのはめ込み合成では、[選択範囲内へペースト] を使用して、領域内の画像を変形する手法がポピュラーですが、これだと目測に頼る細かい位置合わせが必要になります。
これからご紹介するのは、オブジェクトのスナップ機能を利用して、ぴったりスピーディに変形する方法です。テレビの映り込みもリアルに表現できて一石二鳥です。
画面比率を合わせておく!
私は何百回とはめ込み合成を行なってきましたが、そんなプロの現場でも、いい加減な変形はよく見かけます。それほど、変形の違和感はシビアに出るものなんです。その失敗の大半は、はめ込む画像の画面比率を合わせていないことが原因です。
テレビの画面比率は、規格サイズによって定められているので、あらかじめ、はめ込む素材画像をその比率でトリミングしておきましょう。そうするだけで、後の変形は目測に頼らず効率的に行えます。
テレビ画面のはめ込み合成
これから行う操作は、何も映っていないテレビ画面に別の素材を合成する作業です。業界用語では「はめ込み」と言われています。
画面比率16 : 9でトリミング
画面比率16 : 9でトリミング
photo by The James Kendall Of The Pistoleers
この作業では、画面サイズの「アスペクト比」といわれる縦横比に合わせておくことがポイントとなります。作例では、HDTV(ハイビジョン)の16 : 9を定義して、あらかじめ、素材画像の幅を1600 pixel、高さを900 pixel としています。
映り込みレイヤーを作成する
テレビ台の素材画像を開きます。
素材画像を開く
素材画像を開く
[ツール] パネルで、[多角形選択ツール] を選択します。
テレビ画面のコーナー4点をクリックして選択範囲を作成します。ここでは、画面がフレームより少し奥にあるので、左辺と下辺の境界線にフレームの厚み分のスペースを設けています。
テレビ画面のコーナー4点をクリック
テレビ画面のコーナー4点をクリック

コピーしたレイヤーの作成

[command (Ctrl)] + [J] キーを押して、選択範囲をコピーしたレイヤーを作成します。[レイヤー] パネルで、[レイヤー 1] が作成されたことを確認します。
描画モードに [スクリーン] を選択します。
描画モードに [スクリーン] を選択
描画モードに [スクリーン] を選択
テレビ画面の映り込みが明るくなりました。
テレビ画面の映り込みが明るくなった
テレビ画面の映り込みが明るくなった
レイヤーオブジェクトにする!
テレビ画面の映り込みレイヤーは、元画像の映り込みを利用することで自然な仕上がりを演出するものですが、スナップ機能を利用するためのものでもあります。
レイヤーオブジェクトの正確な外径が必要になるので、テレビ画面の選択範囲は慎重に作成してください。[ペンツール] で作業用パスを作成する方法もあります。
合成する画像を配置する
はめ込み用の画像を開きます。
[command (Ctrl)] + [A] キーを押してすべてを選択し、[command (Ctrl)] + [C] キーを押してコピーします。
はめ込み用の画像をコピー
はめ込み用の画像をコピー
photo by The James Kendall Of The Pistoleers
テレビのドキュメントを表示します。
[レイヤー] パネルで、[背景] をクリックして選択します。
[背景] をクリックして選択
[背景] をクリックして選択
[command (Ctrl)] + [V] キーを押して、はめ込み用の画像をペーストします。
はめ込み用の画像をペースト
はめ込み用の画像をペースト
はめ込み用の画像を確認!
はめ込み用の画像は、テレビ台の画像と幅のサイズを同じに設定しているので、ドキュメントサイズ内にぴったり収まりました。映り込みレイヤーが合成された状態で表示されていることを確認してください。

スマートオブジェクトに変換

[レイヤー] メニューから、[スマートオブジェクト] → [スマートオブジェクトに変換] を選択します。
[レイヤー 2] (はめ込み用の画像) がスマートオブジェクトに変換されたことを確認します。
スマートオブジェクトに変換されたことを確認
スマートオブジェクトに変換されたことを確認
スマートオブジェクトとは?
レイヤーや背景をスマートオブジェクトに変換しておくと、変形やフィルターを適用した後でも、いつでも元の状態に戻すことができます。スマートオブジェクトへの変換は主流となっているので、できるものは何でも変換しておきましょう。
レイヤーマスクを作成する
あらかじめ選択範囲を作成しておくと、レイヤーマスクの作成が簡単になります。映り込みレイヤーの外形から、テレビ画面の選択範囲を読み込みましょう。
[レイヤー] パネルで、[レイヤー 1] レイヤーサムネールを[command (Ctrl)] キーを押しながらクリックします。
[command (Ctrl)] + クリック
[command (Ctrl)] + クリック
すると、テレビ画面の選択範囲が作成されます。
テレビ画面の選択範囲を確認
テレビ画面の選択範囲を確認

レイヤーマスクを追加

[レイヤー] パネルで、[レイヤーマスクを追加] をクリックします。
テレビ画面のレイヤーマスクが作成されたことを確認します。
[レイヤーマスクを追加] をクリック
[レイヤーマスクを追加] をクリック
すると、選択範囲外の領域がレイヤーマスクで隠されます。
レイヤーマスクで隠されたことを確認
レイヤーマスクで隠されたことを確認

レイヤーマスクのリンクを解除

[レイヤー 1] とレイヤーマスクの間にあるリンクをクリックして解除します。
[レイヤー 1] レイヤーサムネールをクリックして選択します。
リンクを解除してレイヤーを選択
リンクを解除してレイヤーを選択
スマートオブジェクトを活かす!
通常のレイヤーと同じように、スマートオブジェクトにもレイヤーマスクが追加できますが、変換前にレイヤーマスクを追加すると、レイヤーマスクを適用したオブジェクトがスマートオブジェクトに変換されます。
これでは、レイヤーマスクの編集が行えないばかりか、元画像に戻せないスマートオブジェクトになってしまいます。これでは意味がありませんね (笑)。スマートオブジェクトへの変換は、必ずレイヤーマスクを作成する前に行ってください。
はめ込み画像を変形する
テレビ画面以外の領域をマスクしたまま、はめ込み用の画像を変形しましょう。
[編集] メニュー → [変形] → [自由な形に] を選択して、変形のバウンディングボックスを表示します。
変形のバウンディングボックスを表示
変形のバウンディングボックスを表示
表示されたバウンディングボックスのハンドルをドラッグして、映り込みレイヤーにスナップさせて変形します。オブジェクトの境界に近づくとポイントが自動的にスナップします。
ハンドルをドラッグしてスナップさせる
ハンドルをドラッグしてスナップさせる
オブジェクトの境界線に近づくと、縦軸、または横軸のガイドが表示されるので、そのいずれかの座標をキープして適切な位置でドロップしてください。
表示されるガイドの座標をキープする
表示されるガイドの座標をキープする
作例の場合、テレビ画面左下のコーナーは、他のコーナーより内側にあり、近くにある左上のコーナーの縦軸にスナップしてしまいます。表示倍率を 200% 以上にして、位置を微調整してください。どうしてもスナップしてしまう場合は、変形の確定後でもやり直しができるので、とりあえず、その位置にポイントを設定しておきましょう。
縦軸にスナップしてしまう → ドラッグして微調整する
ポイントの位置が微調整できたら、[enter] キーを押して変形を確定します。
[enter] キーを押して変形を確定
[enter] キーを押して変形を確定

映り込みの合成と調整

[レイヤー] パネルで、[レイヤー 1] をクリックして選択します。
[不透明度] に「50%」を設定します。
[不透明度] に「50%」を設定
[不透明度] に「50%」を設定
テレビ画面の映り込みが調整できたら完成です。
テレビ画面の映り込みを調整
テレビ画面の映り込みを調整
スクリーンとは?
描画モードの [スクリーン] は、前面のレイヤー (合成色) の反転したカラーが乗算され、明るい部分はより明るく、暗い部分への影響は弱くなっていきます。テレビ画面の映り込みをそのまま適用するには、乗算されて2倍になる明るさを [不透明度] で半分 (50%) に抑えます。
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