Photoshop養成ギプス

リッチブラックの設定方法

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リッチブラックの設定方法
【印刷】リッチブラックとは、「真っ黒」という意味です。CMYK プロセスカラーの「黒」は「K(キー・プレート)」を示しますが、K 100%、いわゆる「スミベタ」と言われる色は、黒インキを白地の紙に転写(オフセット印刷)したものなので、実際の印刷物では薄く感じます。黒インキを2度、3度と重ね刷りすれば濃くすることはできるでしょう。しかし、商業印刷の現場では、その方法は効率的ではありません。そこで、他の色と混ぜ合わせて濃い黒を作り出します。CMYK プロセスカラーの作業工程内でできる「贅沢な黒」。それがリッチブラックです。
数値は印刷所で確認しよう!
リッチブラックの数値(掛け合わせ率)には諸説あります。明確にはこれがリッチブラックだ!というものはありません。最強なのは、CMYK すべてが 100% の掛け合わせ…しかし、重要なことは、効率的な方法で結果を残すことです。インク原料をたくさん使ってしまいますからね。つまり、リッチブラックの数値は、印刷所の判断で行われるものなので、前もって確認しておくようにしましょう。
一般的なリッチブラックの数値
一般的に用いられているリッチブラックの数値(掛け合わせ率)は、C 40 + M 40 + Y 40 + K 100 です。しかし、印刷の仕上がりが赤味や黄味がかることも多いので、シアンを多めに、マゼンタ、イエローと段階的に下げた C 40 + M 40 + Y 40 + K 100 もポピュラーです。私は後者の方をオススメします。
K 100 →  C 40 + M 40 + Y 40 + K 100
Photoshop での設定方法は、カラーモードを[CMYK カラー]に設定したドキュメント上で、[カラーピッカー]などによる正確な数値を入力することが一般的です。カラーモデル[CMYK]の入力ボックスに数値を入力して、[OK]をクリックします。
[カラーピッカー]ダイアログを設定(オススメ)
[カラーピッカー]ダイアログを設定(オススメ)
[カラーピッカー]ダイアログを設定(一般的なリッチブラック)
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リッチブラックの定義を考える!
なぜ、リッチブラックの数値に気を付ければならないか? リッチブラックの定義について考えてみましょう。印刷所は「版ズレ」を極力嫌いますから、掛け合わせ数が少ない方が好まれます。そして、色数が少ないことは、インク原料の消費も抑えることができます。
K 100 →  C 46 + K 100
私の経験では、スミベタにシアン 60%(C 40 + K 100)という、保守的な数値を指示されたこともあります。確かに、これならスミベタより濃い黒がつくれますし、インク原料も少なくて版ズレも起こりにくいです。通称「花紺(はなこん)」と呼ばれる色、これもリッチブラックと言えるでしょう。リッチブラックとは、限られた条件の中で、出来る限りの表現をする、スミベタ以外の黒なのです。
RGBの黒はリッチブラック?
Photoshop の基本的なカラーモード[RGB カラー]では、[H 0 / S 0 / B 0]が「黒」とされます。これは Web など、パソコン上で表示される「黒」の常識的な数値です。そのままカラーモード[CMYK カラー]へ変換すると、C 93 + M 88 + Y 89 + K 80 という数値(掛け合わせ率)になります。Illustrator でも同様の数値になります。これもリッチブラックと言えるでしょうが、全体的に掛け合わせ率が高く、K 80 というところに不安を感じます。そのままにしておくと、印刷所では嫌われそうなリッチブラックです。
[RGB カラー]の「黒」を CMYK 値で確認
[RGB カラー]の「黒」を CMYK 値で確認
[RGB カラー]の「黒」が印刷所で嫌われる理由は、その大半がインク原料の消費量です。印刷部数が何千枚ともなると、印刷にかかる経費は大きく影響してきます。しかし、印刷の品質向上にはリッチブラックが不可欠とされているので、CMYK プロセスカラーの掛け合わせ率合計が、250%くらいが適量だとも言われています。[RGB カラー]の「黒」とリッチブラックのオススメ数値をグラフで比較してみると、インク原料の消費量の違いは一目瞭然ですね。
インク原料の消費量比較
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CMYKのスミベタはHSBで薄くなる!
Photoshop のカラーモード[CMYK カラー]で、スミベタ(K 100)を設定してみると、HSB では[H 16 / S 25 / B 15]という「濃いグレー」になります。カラーモード[RGB カラー]では、階調の黒(シャドウ)点をスミベタにせず、それ以降にも階調があることが確認できます。黒とスミベタの違いを把握する意味でも、リッチブラックの存在を知ることは必要だと思います。
K 100 の HSB 値は「濃いグレー」を示す
K 100 の HSB 値は「濃いグレー」を示す
C 93 + M 88 + Y 89 + K 80 →  K 100
レジストレーションはリッチブラック?
レジストレーションを設定すると、C 100 + M 100 + Y 100 + K 100、つまり、4色がすべて 100% で重ねられた最強の「黒」が適用されます。一見、リッチブラックと混同してしまいそうですが、これはプロセスカラーで用いる「トンボ」のためのカラーです。用途が色の見当合わせなので、トンボの細い罫線を実線で確認しやすくするため、それぞれの掛け合わせ率がべた色の 100% に設定されています。リッチブラックにレジストレーションを設定しないようにしましょう。
レジストレーションの CMYK は4色全てが 100%
レジストレーションの CMYK は4色すべてが 100%
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